中川 ひとみ
私は骨髄バンク推進活動に参加して3年半ほどになります。
まだ経験が浅いところですが、本日は私が骨髄バンク推進活動に参加したきっかけや想いをお伝 えすることで、みなさんに骨髄バンクへの登録や関心を持つきっかけとなったらうれしいです。
骨髄バンク推進活動参加のきっかけ
骨髄バンク推進活動に関わるまでは私は不勉強で、骨髄バンクがどんなものか誰が必要とし ているのか知ろうともしていませんでした。
そんな私が骨髄バンク推進活動に参加したきっかけは、子どもの同級生が入院したことでした。
入院したのは、子どもと仲良しの笑顔がかわいいとても元気な子で、突然の入院にとても驚きま した。
その後、骨髄移植が必要な病気であることが分かりましたが、骨髄移植について詳しく知らな かったので「移植すればすぐに良くなるんだ、早く移植して良くなるといいな」と考えていまし た。
しかし、骨髄移植の条件に合うドナーはなかなか見つからず、時間だけが過ぎていきました。
まだ小さい体で大人でも辛いとされる治療や検査、処置をたくさん頑張って、骨髄移植が有効な 治療法であると分かっているのに、骨髄移植を希望してもドナーが見つからない、治療を進めら れない、というのは、患者さんはもちろん、患者さんを支えるご家族にとっても耐え難いほど辛 いことだと思います。
そこで、何か力になれることはないか、という想いから、子どもの同級生の保護者で骨髄バンク 登録をお願いする活動を始めることになりましたが、骨髄バンクについて知識がなかったので、 かごしま骨髄バンク推進連絡会議のみなさんにご協力をいただき、一緒に活動をさせていただく ことになりました。
活動では、骨髄バンクへの登録をお願いするチラシを作成して街頭で配布したり、店舗や公共施 設への掲示をお願いして回ったりしました。
まだ新型コロナウイルスが蔓延する前でしたので、チラシを配る際にはお声かけができました。 骨髄バンクへの登録のお願いに加えて「骨髄バンクをご存知ですか?」と声をかけると、特に若 い方は首をひねったり献血と勘違いしている方が多かったです。
チラシに関心を持ってお話を聞いてくださる方もいらっしゃいましたが、骨髄バンクについて もっと知っていただく必要があると感じました。
活動にはたくさんの子どもたちも参加してくれて、新聞やメディアにも取り上げてもらおうと動い ておりましたが、その後もドナーが見つかることはなかったため、条件がある程度合っていた家 族からの提供を受け、治療を進めることになりました。
教えてもらった「命をつなぐ」ということ
骨髄移植が有効な治療法であるのに、一日でも早く移植をしたいのに、ドナーが見つからずすぐ には移植が受けられない、という現実に、とても悔しい思いでした。
そして、骨髄移植を受けたい、となったときに、すぐにたくさんの登録者にマッチして、一番良い 条件のドナーを選ぶことができる社会にしないといけない、と強く思いました。
私たち保護者が骨髄バンク登録のお願いをする活動は直接その子の助けにはなりませんでした が、私たちの呼びかけで骨髄バンクの登録を行った方のうち2名がドナーに選ばれて骨髄提供を行 いました。
お二人とも登録してすぐにドナーに選ばれて提供を行ったことから、たくさんの方がドナーを 待っているんだと改めて実感しました。
2022年の4月から、鹿児島市では骨髄等提供者の負担を減らすための骨髄等移植ドナー支援事業も始 まり、骨髄バンクへの登録や骨髄提供をサポートしています。
今後は鹿児島市だけでなく、県や他の自治体でも支援事業が広がっていけるように活動できたら と考えています。
その子が教えてくれた、骨髄バンクは「命をつなぐ」大切な希望であるこということ。
それを一人でも多くの方に知っていただきたい、という思いが、今も活動を続ける力となってい ます。
骨髄移植を待って今も闘っている方たちのために、命をつなぐために、ぜひ骨髄バンクについて 知っていただき、登録をしていただけたら幸いです。
Comments